▪️事実のまとめ
伊勢崎市に住む60代の男性が、電話を通じて偽の株取引の話を持ちかけられ、1億円以上を騙し取られました。警察はこの事件を詐欺事件として捜査しています。
今年3月、男性の自宅に金融機関を装った人物から電話があり、「製薬会社が伊勢崎に進出し、あなたに株を買う権利がある。株を買いたい人がいるので譲ってもいいか」と話を持ちかけられました。その後、製薬会社や警察を装った人物からも「あなたの名義で株が買われ、金融庁の監査がある」や「インサイダー取引にあたるため、預金を調査する必要がある」といった電話が続きました。
男性は「調査が終われば全額返金される」と言われ、今年4月から5月にかけて11回にわたって指定された口座に現金や暗号資産を振り込みました。しかし、振り込みから2か月以上経っても返金がないため、やりとりしていた男に連絡したところ、電話が使われていない状態になっていることに気づき、騙されたことを知りました。男性は31日に警察に被害を届け出ました。
警察は詐欺事件として捜査を進めるとともに、かかってきた電話でお金の話が出た場合はすべて詐欺を疑うように注意を呼びかけています。
<見解>
今回の事件は、高齢者を狙った電話詐欺の典型的な手口を示しています。金融機関や警察を装った詐欺師が、巧妙な話術で被害者を信用させ、多額の金銭をだまし取る手法です。被害者が信頼できる第三者に相談することなく、指示に従ってしまった結果、大きな被害が生じました。
このような詐欺を防ぐためには、以下の対策が必要です:
- 啓発活動の強化:高齢者を対象に、電話詐欺の手口や対策についての情報提供を行い、注意を喚起する。
- 相談体制の整備:怪しい電話がかかってきた際に、すぐに相談できる窓口を設置し、迅速な対応を促す。
- 家族やコミュニティの支援:高齢者が一人で判断せず、家族や信頼できる人と相談するような環境を整える。
警察の注意喚起も重要ですが、地域社会全体で高齢者を守る取り組みが求められます。電話での金銭のやり取りには十分注意し、少しでも不安を感じた場合はすぐに専門機関に相談することが大切です。
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