【小林製薬】紅麴問題の公表「早くしたい気持ちはあった」小林製薬、前社長が釈明|小林章浩紅麴問題

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小林製薬が製造・販売した「紅麹(べにこうじ)」成分のサプリメントを巡る健康被害問題で、8日に約4カ月ぶりとなる経営陣の記者会見が行われました。この会見で、同社のずさんな情報管理体制と危機管理の甘さが改めて露呈しました。

会見では、前社長の小林章浩氏が「品質を軽視する意識は一度も持ったことはない」と強調しましたが、同社の対応が後手に回り、隠蔽体質と見られる状況が続いたことへの厳しい追及が行われました。新社長に就任した山根聡氏は、情報管理体制の不備について「隠そうというつもりはなかった」と釈明しましたが、問題の解決には程遠い印象を与えました。

また、紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していた不衛生な製造現場についても質問があり、山根氏は「われわれが容認しているわけではなく、驚いた」と述べ、責任を現場に押し付けるような発言が見られました。

同社は問題発覚から公表まで2カ月を要し、取締役会での報告も遅れ、さらに調査中の死亡例を正確に厚生労働省へ報告していなかったことが6月末に発覚しました。その後も紅麹の原料供給先に関する情報調査が不十分であることが明らかになり、情報共有の不備が次々と露呈するたびに消費者からの信頼を失っています。

一方、山根氏は同族経営による「同質性」が今回の事態を招いたと分析しましたが、前社長の小林章浩氏は取締役として引き続き補償を担当し、創業家の影響が残る中で、山根氏が自由な判断を下せるかには疑問が残ります。

企業倫理が厳しく問われる中、山根氏は「経営体制と危機管理の抜本的改革を進める」と表明しましたが、今後も補償額が膨れ上がり、業績への影響が避けられない見通しです。

<見解>

今回の紅麴問題は、企業の危機管理能力と情報管理体制の不備が、重大な健康被害につながった事例として注目されています。小林製薬は、対応の遅れや隠蔽と見られる行動により、消費者からの信頼を大きく損ないました。

特に、製造現場の不衛生な状況が明らかになったことで、企業の品質管理への取り組みに疑問が生じています。また、同族経営が今回の事態を招いたという分析がなされる中で、創業家の影響が続く限り、真の改革が進むかどうかには懸念が残ります。

今後、企業倫理を守り、消費者の信頼を取り戻すためには、経営体制の抜本的な見直しと危機管理の強化が不可欠です。企業がどのように信頼回復に向けた取り組みを進めるかが、注目されるでしょう。

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