【スパイ】30年以上にわたるスパイ活動、日本人に成りすましたアジア系ロシア人の疑惑|国際スパイ活動

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1997年(平成9年)、日本の公安部は、アジア系ロシア人の男が、1965年(昭和40年)に失踪した福島県出身の男性の身分を乗っ取り、30年以上にわたりスパイ活動を行っていた疑いを捉えました。男はロシア対外情報局(SVR)に所属しており、日本国内での広範な諜報活動に従事していたとされています。

この男は、失踪した男性の名前を利用して、1966年(昭和41年)に東京都内の貿易会社に就職しました。彼は商社マンとしての立場を利用し、政治、経済、軍事情報を収集するために国内外を頻繁に行き来していました。その間、何も知らない日本人女性と結婚し、日本人としての人生を偽装していました。

1997年7月、警視庁公安部は男の住居である東京都練馬区のマンションを捜索し、彼のスパイ活動の証拠を発見しました。彼は自宅で高性能の短波ラジオを使用し、モールス信号を受信して、ロシアからの指示を受け取っていたことが判明しました。また、彼は自宅の窓や机の引き出しに髪の毛を置くなどして、不在中に侵入者があったかどうかを確認するシステムを用いていました。

さらに、彼は神社仏閣や墓地などの環境が変わりにくい場所にマイクロフィルムを隠し、それを機関が回収する「デッド・ドロップ・コンタクト」という方法で情報を渡していました。これらの場所は一度使用した後は二度と利用しない、徹底した方法でスパイ活動を行っていたとされます。

公安部はこの男を国際手配し、彼は中国・北京へ出国した後、日本に戻ることはありませんでした。公安部は2020年、旅券法違反などの容疑で氏名不詳のまま男を書類送検しました。

この事件は、国際スパイ活動の巧妙さと、日本の公安調査の課題を浮き彫りにするものであり、日本国内での外国による諜報活動の深刻さを示しています。今後の捜査の進展とともに、国内外の諜報対策の強化が一層求められる状況となっています。

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