詳細解説:

全国で頻発している高級車の窃盗事件が、単なる個別犯行ではなく、非常に組織化された犯罪ネットワークの一環であることが判明しました。今回の独自取材では、振り込め詐欺などの特殊詐欺で使用された「闇名簿」が、高級車の窃盗にも利用されている可能性が浮上し、東南アジアを経由するルートが明らかになりました。この巧妙な手口と広範囲にわたる違法なビジネスが、車の所有者を脅かす深刻な問題となっています。

闇名簿の拡散と窃盗手口

千葉県や栃木県で発生した事件では、防犯カメラに犯行の様子が収められており、犯行グループがスマートキーを用いて、高級車を狙った窃盗を行っていることが確認されました。これらの車がどのように狙われたかというと、元々は詐欺目的で作成された「闇名簿」が流用され、車の所有情報が追加されていたのです。

この名簿には、個人名や住所、電話番号に加えて、所有する車の種類やトラック、農機具の情報まで詳細に記録されており、特にベトナム系の犯行グループがこれを活用していることが示唆されています。防犯カメラに残された音声からも、犯行グループがベトナム語を使用していたことが確認され、車を盗んで売り払うことを目的にしていたことが明白となっています。

東南アジアへ向かう「違法輸出ルート」

盗まれた車は解体され、違法に輸出されるケースが非常に多いです。犯行グループは、車の解体や車台番号の打ち替えといった巧妙な手口を駆使し、車両の特定を困難にしています。解体された車は「ヤード」と呼ばれる場所で分解され、部品として輸出されるか、偽の車台番号をつけて海外に密輸されることが判明しました。

特に、東南アジアのタイやミャンマーへの違法輸出が盛んで、タイの国境を越えてミャンマーへと輸送される中古車市場は、不法車両の温床となっています。タイでは輸入した中古車を国内で販売することが禁止されているため、密輸によってミャンマーなどに再輸出され、最終的に闇市場で販売されるのです。

犯行グループの分業体制と手口の高度化

窃盗グループは役割分担が非常に明確で、下見を行うメンバー、実際に車を盗む実行犯、盗難車を運搬する人間、そして解体や輸出に関わる者まで、組織的に動いています。彼らは自動車メーカーの社外秘マニュアルを入手し、車の電子制御システムやGPSの位置を正確に把握することで、セキュリティシステムを無力化しているのです。

さらには、盗難車の特徴としてスマートキーしかなく、サブキーが欠如しているケースが多いことも報告されています。これは、窃盗車両が東南アジアに輸出され、鍵のない状態で販売されている可能性を示唆しています。

終わらない脅威と解決策

このような高級車窃盗事件は、国内だけでなく国際的な犯罪ネットワークに繋がっており、今後も続く危険性が高いです。違法な車両輸出の取り締まりや、車両管理システムの強化が急務となっています。特に、GPSの精度向上や防犯カメラの増設といった対策が、犯罪抑止に繋がる可能性があるでしょう。

この組織的な犯罪がどこまで広がり、どのように解決していくのか、今後も追跡が必要です。

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引用ニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/cbe4e3915194f56ca5fff3136386630f044f8f81