1997年に神戸市須磨区で発生した連続児童殺傷事件で、当時小学3年生だった女性が現在の心境を神戸新聞の取材に語りました。彼女は、当時腹部を刺され重傷を負いましたが、命を救ってくれた看護師に憧れ、現在は看護師として新型コロナウイルス感染症病棟などで働いています。

事件は1997年3月16日に発生しました。9歳の彼女は友人と遊ぶために自宅近くの公園に向かう途中、前から歩いてきた男と肩がぶつかり、その直後に腹部を刺されました。ナイフは胃を貫通し、深さ8センチにも達していました。偶然現場を通りかかった看護師が応急処置を施し、彼女は数時間の手術の末、一命を取りとめました。

事件の経緯とその後

事件当時、14歳で逮捕された「少年A」は彼女を含む複数の児童を襲撃しました。Aの両親とは約10年前に一度だけ会ったことがありますが、Aは行方不明であり、両親からは何の納得のいく説明も得られませんでした。さらに、2015年にAが手記「絶歌」を出版した際も、被害者や遺族には何の連絡もありませんでした。女性はこの手記に対し「ただただ腹立たしい」と憤りを示しています。

現在の生活と心境

女性は現在、兵庫県内の総合病院で看護師として働いています。新型コロナウイルス感染症の対応に追われながらも、「普通の幸せ」を大切にし、充実した生活を送っています。しかし、事件の記憶は消えず、Aの所在に関するうわさを聞くたびに恐怖心が蘇ります。

見解

この事件は、被害者の命を危険にさらしただけでなく、その後の人生にも深い影響を与えました。彼女は看護師として命を救う仕事に就きましたが、事件の影響は25年たっても消えていません。Aの手記出版やその後の行動に対する怒りと恐怖は、被害者としての苦しみを物語っています。

事件から学ぶべきことは、被害者の心のケアの重要性です。社会全体で被害者を支える仕組みを整えることが求められます。また、加害者の更生についても厳しく見守り、再犯防止のための対策を強化する必要があります。被害者の声を無視せず、真摯に向き合うことが、再発防止の第一歩です。

この事件を通じて、私たちは被害者の心の痛みを理解し、同じ過ちを繰り返さない社会を築くために努力する必要があります。

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引用ニュース:https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202203/0015137675.shtml