大阪府吹田市の放課後等デイサービスで、送迎中に中学1年生の清水悠生さん(当時13歳)が溺死した事件に関する裁判が25日、大阪地裁で開かれました。業務上過失致死などの罪に問われた宇津雅美被告(66)に対し、検察は懲役1年10月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めています。
事件の経緯
- 事故の概要
2021年12月、放課後等デイサービスの管理責任者であった宇津被告が、送迎時に必要な注意義務を怠り、悠生さんが溺死する事故が発生。起訴状によると、従業員2人による引率など基本的な管理体制が欠如していたとされています。 - 被告の対応
裁判で明らかになった被告の行動には、事故後に遺族への謝罪や弔問がなかったことが指摘され、遺族から「不誠実」と強く非難されました。
検察側の主張
検察は、以下の点を強調しました。
- 障害を持つ児童を預かる施設として、最も基本的な注意義務に違反した重大な過失。
- 被告が自己の過失を十分に省みていない姿勢。
その結果、懲役1年10月を求刑し、厳格な司法判断を求めました。
弁護側の主張
一方、弁護側は以下の主張を展開しました。
- 施設はすでに閉鎖しており、被告が再び福祉活動に関わる可能性はない。
- 遺族の苦痛を深く反省しており、一定の社会的制裁を受けている。
これらを理由に、執行猶予付きの判決を求めました。
遺族の声
被害者の母親は意見陳述で、被告の対応に対する不満と怒りを訴えました。
- 「被告が事実を早期に伝えていれば施設の利用をやめていた」と述べ、施設の管理体制への疑問を呈しました。
- 「線香1本あげにも来ていない」と指摘し、被告の誠意の欠如を批判しました。
- 我が子の命が奪われたことへの悔しさと、厳しい処罰を求める姿勢を明確にしました。
まとめ
この裁判では、障害児を預かる福祉施設としての責任や、事故後の被告の対応が大きな焦点となっています。被告の行動や発言が遺族のさらなる怒りを招き、求刑の厳格化につながっています。
判決は12月23日に予定されており、司法がどのような判断を下すのか注目が集まります。また、福祉施設の管理体制や事故防止策についても、今後の社会的議論を呼び起こす重要なケースとなるでしょう。
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