この事件は、暴力団幹部らが自らの意思で「指詰め」を行いながら、それを過失によるケガだと偽り、健康保険を不正に利用して治療費を免れた詐欺事件です。岐阜県警によると、こうした「指詰め」による保険詐欺容疑での逮捕は全国的にも珍しいケースであり、暴力団が絡んだ詐欺の手法が明るみに出ました。

事件の中心人物は、指定暴力団・六代目山口組三代目弘道会の幹部(58)。彼は昨年2月、東京都内の医療機関で自傷行為である指詰めを過失のケガだと偽り、不正に国民健康保険を利用し、治療費約4万円の支払いを免れました。この自傷行為は保険適用外ですが、彼は虚偽の申告を行うことで医療費の一部を国に負担させた形です。また、同年3月には岐阜県内でも同様の手口で約5千円の治療費を不正に免れています。

さらに、この男と共謀して詐欺行為を行ったとして、他の暴力団幹部2人も逮捕されています。加えて、同様の詐欺行為で弘道会傘下組織の組員も逮捕されており、この組員は今年1月中に岐阜県と長野県の医療機関で計約4万7千円の支払いを免れた疑いがあります。

事件のポイント:

  • 指詰めとは何か:暴力団の内部で、幹部や組員が自身の指を自ら切断する「指詰め」は、組織内のルールや罰として行われることがあります。これは内部の処分であり、通常のケガとは異なり、自傷行為のため健康保険は適用されません。
  • 不正の手口:今回の事件では、暴力団幹部が指詰めを過失によるケガだと偽り、健康保険を不正に利用して医療費の支払いを回避しています。保険制度は、本人が負担する部分を除き、国が残りをカバーしますが、自傷行為はこの適用外です。
  • 全国的に珍しいケース:暴力団による指詰めと保険詐欺が結びついたケースは非常に珍しく、保険制度の悪用が社会問題として浮かび上がっています。
  • 犯罪組織の広がり:今回の事件は、1人の暴力団幹部だけでなく、複数の共犯者が関与しており、他の地域でも同様の手口で詐欺行為が行われていた可能性があります。警察は、組織的な不正行為が行われていたとみて、捜査を続けています。

社会的影響:

この事件は、暴力団による健康保険の悪用という新たな犯罪手法を浮き彫りにしました。医療費の不正請求は、健康保険制度全体に悪影響を及ぼし、税金の無駄遣いにつながる問題です。暴力団の犯罪は、法制度を悪用する形で広がりを見せており、今後の対策が求められています。

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引用ニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/1460be5f6bf64a752c4f903f0bf9cafb2328724f