▪️事実のまとめ
大阪府警が全国で初めて摘発した「SNS型投資詐欺」に関与した詐欺グループの拠点が、大規模な一斉捜索により摘発されました。この捜査では、異例の約470人の捜査員が動員され、90人が逮捕されるという近年まれに見る規模の摘発となりました。
この詐欺グループは、SNSで不特定多数の相手に投資を持ちかけ、金を騙し取る手口を用いていました。詐欺の手口は、まずメンバーが講師に成りすまし、「バイナリーオプション」という為替相場の変動を予測する投資手法で「勝率が上がる」と謳い、情報商材購入費や指導料の名目で金を取るというものでした。被害者は150人以上、被害額は10億円に上ると見られています。
詐欺グループは100人規模で活動しており、80人ほどの「Aグループ」と約20人の「Bグループ」に分かれていました。Aグループは3年前から、Bグループは昨年7月頃から活動を開始していました。捜索により、スマートフォン1830台余りとパソコン約60台、詐欺マニュアルなどが押収されました。
逮捕された90人の多くは、SNSでメッセージを送る「打ち子」でしたが、リーダー格も含まれていました。Aグループでは高嶋恭平容疑者(24)が、Bグループでは山田吉彦容疑者(43)や島内大起容疑者(40)が逮捕されました。山田容疑者は石油製品販売や太陽光発電を手がける「ワールドトラスト」の代表で、派手な生活をしているわけではなく、普通の会社経営者のような暮らしをしていました。
公開手配された5名のうち、7月30日に宮脇翔容疑者(29)と岡田真由容疑者(25)が出頭し、逮捕されました。
<見解>
今回の摘発は、SNSを悪用した大規模な投資詐欺の実態を明らかにするものでした。SNSを利用して不特定多数に接触し、巧妙な手口で金を騙し取る詐欺行為は、現代社会において新たな脅威となっています。このような詐欺に対する警戒が必要であり、被害を未然に防ぐための啓発活動や対策の強化が求められます。
詐欺グループのリーダーたちは、一見普通の会社経営者のような生活をしており、表面的には犯罪者としての姿を隠していました。これにより、周囲の人々や関係者が彼らの真の活動を見抜くことが難しかったことが伺えます。
また、今回の事件を通じて、SNSでの情報発信や交流に対する慎重さが改めて重要であることが示されました。不審なメッセージや誘いには十分な注意を払い、少しでも疑わしいと感じた場合にはすぐに専門機関に相談することが大切です。
警察の迅速な対応と大規模な摘発により、被害拡大を防ぐことができましたが、今後も同様の手口による詐欺が発生しないよう、継続的な監視と対策の強化が必要です。被害者の声に耳を傾け、再発防止に向けた取り組みが進められることを期待します。
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