▪️事実のまとめ
神奈川県警は、被害額が増加傾向にある特殊詐欺の新たな手口に警戒を強めています。この手口は、犯人が電話で警察官や検察官を装い、「犯人があなたの通帳やキャッシュカードを持っていた。逮捕状が出ている」などと偽り、被害者にインターネット銀行の新たな口座を開設させ、その預貯金を騙し取るものです。この手口は金融機関の警戒をかいくぐり、犯人と被害者が直接対面しないため、捜査が難航しています。
昨年秋頃からこの手口による被害が増え始め、今年1月から7月までの間に7件の被害が確認されており、被害額は約2億4500万円に達しています。被害者は50代から80代の男女であり、県警はさらに被害が拡大する可能性があると見ています。
詐欺の手口は、警察官や検察官を名乗る人物が電話で「全財産を調べる必要がある。紙幣番号を調査できるネット銀行の口座を開き、現金を移さないといけない」と説明し、被害者に新たなネット銀行の口座を開設させます。犯人は開設手続きを被害者に代わって行い、ログインIDやパスワードを入手します。被害者が既存の口座から新しい口座に現金を移すと、犯人は入手したログイン情報を使って預貯金を別の口座に移します。
この手口は、被害者名義の口座間での移動が行われるため、金融機関でも気付きにくく、高額の被害が発生しやすいです。新しい口座のキャッシュカードは被害者の手元に届くため、詐欺を疑いにくく、発覚が遅れる傾向にあります。
<見解>
今回の新たな詐欺手口は、インターネット銀行を悪用した巧妙なものであり、高齢者を中心に大きな被害をもたらしています。金融機関の警戒をすり抜けるため、被害が深刻化しやすく、発見も遅れる可能性があります。県警は、この手口に対する警戒を強め、被害者に対して「少しでも怪しいと思ったらすぐに通報するように」と注意を呼びかけています。
被害を防ぐためには、金融機関や警察からの公式な連絡を受けた場合でも、必ず確認を取ることが重要です。また、身近な人に相談することで、詐欺に巻き込まれるリスクを減らすことができます。特に高齢者への啓発活動を強化し、詐欺の手口に関する情報を広く共有することが求められます。
関連ニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/3c1d41e81296caa362a4262d5acb120970e292f7